食のDX「フードテック」、フードデリバリー市場の動向まとめ

コロナウイルスの影響は、人々の生活様式や企業経営にも大きな変化を与えました。飲食業界においては、食のDX「フードテック」が加速し、売上拡大のため、フードデリバリーを取り組み始めた飲食店舗が多くありました。昨今のフードデリバリー市場における動向を振り返っていきます。

カバー

「食」ビジネス、IT情報など飲食業界のトレンド情報をお届けする総合メディア『フードテック総研』では、日本最大級の出前サービス『出前館』の事例や市場データをもとに、食のDX「フードテック」におけるフードデリバリー市場の動向まとめをご紹介していきます。

出前市場(フードデリバリー)の規模拡大

NPD Japanの調査結果より、外食業態(レストラン計)の出前市場規模は、2020年(確定値) に6,264億円となり、コロナウィルス感染拡大前の前年対比50%の増加、レストラン売上に占める出前(デリバリー)比率は6.5%と前年対比より2倍以上の上昇となりました。

出前市場規模の推移

コロナウィルスが感染拡大する前、「外食業態におけるデリバリー比率」より、韓国や中国、その他のヨーロッパ諸国と比較し、日本の外食業態に占めるデリバリー比率は低く、フードデリバリー市場の拡大余地が大きかったこともあり、コロナウィルスの感染拡大ともに、さらに日本国内へ外資系フードデリバリーサービスの参入が相次ぎました。そして、各社のマーケティング投資により、市場の拡大が加速したと考えられます。

外食業態におけるデリバリー比率

国内最大級の出前サービス『出前館』においては、コロナ下における加盟店舗数は、2020年1月の約20,000店舗から2021年7月時点で80,000店舗以上となり、約4倍まで急拡大しました。

出前館加盟店舗数の推移

また、『出前館』において、が配達機能を持たない飲食店の代わりに配達を担う「シェアリングデリバリー®」が2017年より神奈川県で開始し、2021年7月に全国47都道府県へエリア展開。配達エリアの拡大による配達対象店舗が増加し、加盟店舗数の飛躍にも繋がりました。

シェアデリングデリバリー全国進出

新たな飲食店の業態が普及

デリバリーの普及が加速した中で、米国発祥の「ゴーストレストラン」と呼ばれる客席を持たず、デリバリーに特化した飲食形態が日本国内でも注目を集めきました。2020年4月の緊急事態宣言以降、「ゴーストレストラン」の検索トレンドも増加しています。

ゴーストレストランの人気動向

「ゴーストレストラン」が普及した背景には、客席を持たないため、駅近の立地にこだわる必要がなく、開業資金を比較的抑えて出店できることが考えられます。また、通常の飲食店舗の開業と比較すると、開業スピードが1/3程となり、約1ヶ月で新規出店できるケースもあります。

また、「シェアキッチン」や「クラウドキッチン」と呼ばれる業態も増加しています。『出前館』では、調理スペースと、飲食店の配達代行を行うための配達オペレーション室を兼ね備えた「クラウドキッチン」を2020年12月よりオープンしています。低リスクで事業トライアルができる店舗(厨房スペース)と販路(『出前館』への掲載)、さらに『出前館』に蓄積しているデータを駆使したデリバリーのノウハウを提供。また、ブランドのFC化を行い、全国各地の飲食店へ開発されたブランド実績を持ってFCとして横展開する取り組みを既に実施しています。

クラウドキッチン

「飲食店のD2C」を加速!お店専用のデリバリーサイトを簡単作成

フードデリバリーがニューノーマルとなり、それに合わせる形で、「ゴーストレストラン」や「クラウドキッチン」の活用が普及しました。

そして、次なる、飲食店のフードテックは何か。

昨今、EC領域では「Shopify」や「BASE」をはじめとしたECサイト構築サービスの普及により、メーカーや店舗自らECサイトを容易に持つことができるようになり、「D2C」が普及しました。「D2C」とは、「Direct to Consumer」の略で、"消費者へ製品や商品をダイレクトに販売する"というビジネスモデルを指します。飲食店のデリバリーで例えると、デリバリープラットフォームを介さず、お客様から自店舗のサイトを通じて、直接注文を受けられることになります。

「D2C」の人気動向(検索回数)

出前館では、2021年8月 お店専用のデリバリーサイトを簡単作成 「DeDirect」をリリース。飲食店は、自らデリバリーやイートイン予約・テイクアウト機能を保有するサイトを持つことができるようになりました。従来、大手飲食チェーンでは自社サイトを開発し、保有するケースはありましたが、個店でも簡単に配達機能を要する自店サイトを持つことができるようになります。今後、イートイン予約機能やテイクアウトの注文機能、またお店からユーザーへ直接販促ができる、LINE公式アカウントの連携も予定しています。

EC領域で起きたD2Cのトレンドと同様、「飲食店のD2C」が一気に加速していくと考えられます。

DeDirect

<De Directの専用ページ>
https://corporate.demae-can.com/restaurant/about/de-direct.html

『フードテック総研』では、日本の出前・デリバリーをはじめとする「食」産業の活性化に貢献するため、引き続き、最新の出前・デリバリー情報をお届けしていきます。

【調査概要および参考データ】
外食業態におけるデリバリー比率
●出典元:NPD Japan, エヌピーディー・ジャパン調べ
●調査期間:2017年10月~2018年10月

  • LINE
  • twitter
  • facebook
  • pocket

この記事の監修者

フードテック総研編集部

「フードテック総研」は「食」ビジネス、IT情報など飲食業界のトレンド情報をお届けする総合メディアです